では、これから僕の半生を話していこう。
小学校時代からスポーツにも自信があり、勉強も中より上だった僕は、クラスではある程度人気者だった。
中学時代こそ部活に勤しみ、丸坊主小僧だったので、色恋の話はほとんどなかった。
しかし、高校生になると髪の毛も伸ばし、パーマなどもあてて、可愛い彼女が出来、通学の行き帰りにも年下の女子からラブレターをもらうなどかなりモテた。
大学生になってサーファーブームが訪れ、ディスコに明けくれる毎日。ターゲットとなる女子に声を掛けるも百発百中ゲット出来た。
時代に応じて、流行りに乗って、最高に楽しい10代を過ごしてきた。
ところがところがである。
大学を卒業して就職するやいきなり地方へ転勤。
何もわからない、誰も知らない土地での生活が僕を変化させる。
持ち前の人懐っこさと馴染みやすい性格で、こちらでも人気者になるものの、自由奔放にやってきた10代を忘れたわけではない。
制約のある毎日に嫌気がさしてきた。
そんな矢先に本部移転の知らせが来る。
約2年の丁稚生活から抜け出せ、また実家に戻ることが出来たのだ。
これは僕の第一のラッキーであった。
しかし、世の中そんなに甘くはない。
ペーペーで戻った本部では、他の会社が3年かかることを1年でやらなければならない位の仕事量を与えられる。
当時痩せていた54キロの体重も48キロになっていた。
それを見ていた母親も流石に見かねたのか、「そんなにしんどい仕事なら辞めても良いよ」と言ってくれた位だった。
体力的にも辛かったが、責任もあり、心労と寝不足が重なり、若い体ではあったがかなりキツかったことを覚えている。
そんな毎日を過ごしている中で、今の嫁に出会った。
2つ年下ではあったが、しっかりしていて、仕事も出来る頑張り屋だった。
べっぴんだし、何かピンと来た。
これが僕の第二のラッキーだ。
部署が違うので、会社の名簿を盗み見し、彼女に電話でアタックした。その頃は家電しか連絡方法が無かった。
女性に電話をするのは10代以来なので、かなりドキドキした。
返事はOKで本当に嬉しかった。
丁度前の彼と別れた所だったようだ。
これから彼女と40年近くも付き合うことになろうとは?
また、彼女については詳しく話す機会が来ると思うが、彼女も60歳を前にしているが、全くそんな歳に見えない美魔女だ。
これは僕の欲目でも何でもない。
会う人会う人全ての人がそう言うのだから。
彼女の話は、またとして、これから僕の転機が訪れる。
わずか5年でこの会社に見切りをつけて、独立をする。
この頃から僕の頭髪に変化が起きる。
抜け毛が増え、前髪のセットが出来にくくなって来たのだ。
「若ハゲか?」
悩みに悩み出した。
毎日毎日、鏡を見てはため息をつく生活。
ハゲの人にはこの話が分かるだろうが、いつも通勤する大通りを通らず、あまり人が通らない脇道を歩くようになっていった。
当然、仕事にも影響し、今までのように活気ある営業も出来なくなっていた。
全てに対して自信がなくなり、マイナスイメージばかりが先行し、消極的な行動パターンになって行った!
独立した矢先にこんな羽目になろうとは。
遺伝もあったのだが、まさかこんなに早く禿げてしまうとは?
今までの人生で最大の挫折である。
でも、これから僕の大逆転が始まるのだ!
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